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関西州サイバー議会「道州制講演会」報告

 関西州サイバー議会は2012年4月7日に「道州制特別講演会」を大阪・天満橋の府立ドーンセンターで講師に林宜嗣関西学院大学教授を招き開催した。現職議員、経済人、一般市民ら30名が参加した。平岡龍人理事長が「関西圏での経済産業ネットワークの構築を求めて活動していきたい」と開会の挨拶。続いて理事の衆院議員・道州制推進議員連盟事務局長の松浪健太氏から「中央集権から決別した道州政府をつくらなければならない」と取組方向が示された。林教授は講演で「道州制は実行の段階。具体的論議が必要」と強調した。

<講演要旨>林宜嗣関西学院大学教授「地域主権と道州制 待ったなしの地域再生」

 道州制はいつ実行するかという段階にあるが、制度論の域を出ていない改革論議になっている。地方が活力を失いつつある現在、「地域が主体的に自らの責任において地域づくりを進め、頑張るところが報われる環境を整備することが分権の目的。それが地域再生戦略としての地方分権改革。国が元気であれば、地方がよくなる時代ではない。都市とヒンターランド(後背地域)の活性化が国の活性になる。英国では公と民の在り方「ガバナンス」を調査研究している。公と民のパートナーシップは欧州におけるトレンド。日本ではそうはなっていない。設計図を描くのは地域に任せるのが地方分権。東京一極集中を止めないと、日本はダメになる。

 「新しい公共」という考え方は古くなった。行政が介入しないと、地方の生活を維持できなくなる状況にある。英国では、国からの出先機関「地域開発局」(EDA)方式では効果がなかったため、地域主体で政策企画する方式へ転換している。

 人々が最も暮らしたいところは福井や富山だが、東京に集まってくる。東京一極集中は地方に働く場所がなく、避難所になっていることを現している。北海道は札幌に集中しているが、この地域もやがては衰退する。大阪も中心部にマンションが増えているが、これはオフィス需要が減っている証拠。やがて雇用先がなくなっていく。

 関西大都市圏の利点を活かすには「州」の単位で考えなければならない。貧困問題はかつては地方の問題だったが、いまや大都市の問題。西宮も豊中も中途半端な産業誘致ではなく、 住環境を整備、高度な技術者を居住させる役割を果たす工夫が必要。これには行政エリアを撤廃した大都市圏全体の問題として取り組まなければならない。

 公共投資⇒成長というのは、単なる経済成長で、地域発展ではない。「発展なき成長」だ。経済開発と社会開発を同時に進めなければならない。産業誘致型ではなく、地元企業の脱皮をいかに実現するかが課題。これが内発的発展で、地域のネットワークが自律的発展につながる。この仕組みづくりには企業と行政の一体感を図る必要がある。

 道州制は制度論としてではなく、地域が機能する仕組みとしての論議が大切。「何が問題か、課題はなにか」を見つめることで、あるべき政策が見えてくる。道州は経済開発を重点的に行えばよい。英グレート・マンチェスター地域では広域的パートナーシップを築くには「地域ビジョン」の共有が重要であるとしている。それにはリーダーシップが必要である。

 出先機関の移管は許認可権が移管されなければならない。執行機関の移管で、政策決定機能の移管になっていない。事前評価は中央省庁が握っている。中央集権は政策実験もできない。経済特区も条件が厳しい。関西を一つとして、「道州制」の枠で考えるべき時代である。


2012年4月7日開催(高松義直)