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道州制Cafe塾

第三回Cafe塾 勉強会

 テ ー マ  
関西経済と道州制
- 関西経済は道州制によってどう変わるか -

講師:小倉塾長

日時:平成22年3月20日(土)午後4時30分~6時30分

場所:カフェ「楽」Cafe塾 開催風景

3月20日(土)に第3回カフェ塾を開きました。
今回は「関西経済は道州制導入によってどう変わるか」をテーマに勉強会形式で行いました。参加者には事前に資料を送らせていただき、一部の概説を省いたにもかかわらず、時間が足らずに、「宿題」まで出す始末となりました。 もとより、このテーマは道州制導入の中心テーマであるため今後も繰り返し論議を深めていかなければならないものです。ただ残念なのは、ご存じのように道州制導入に賛成の関西財界からのものでさえ、正面からこのテーマを扱ったレポートを見たことがありません。出てますよ、と言われても他人事のような「規制緩和」待望と構想の整合性をあまり感じない「特区」構想、一般的な地方分権による仕事の割り振りプランでは、そもそも道州制を導入する意味すら見出せません。そこで、今回はいささか身の丈を超えるものとなりましたが、道州制を導入することで関西経済は変わりうるのかということをいくつかの視点から議論しました。

まず、<準備>として、現在の経済情勢をどう見るかということで「週刊ダイヤモンド」の昨年の特集「大不況の経済学」から経済学者の見方(統一的ではないが、伝統的ケインジアンの旗色は悪い)についての簡単なレヴューを行い、ついで歴史的な観点から水野和夫氏の「デフレの100年」・野口悠紀雄氏の意見を紹介しました。曰く、デフレは続く、資本分配率を引き上げる国民経済に変わる新たな富の蓄積方式を探る歴史的な転換期にある、バブルはまた起こる、現在日本国内には有望な投資先は少ない、溜まった資本は行き先を決めあぐねている、新興国の成長により先進国の市場占有率は低下する、等々。これらの全体観を基にして関西活性化研究会の「自立する関西」を一部紹介しながら、今回のテーマ「関西経済は道州制導入によってどう変わるか」に話を進めていきました。

ここからはさらに答えのない領域なのでレジュメに沿って、司会者が問題を提示し、みんなで討論する形式にしました。受講風景

    1. 広域圏の設定によってもたらされるものは何か」⇒「国内単一の標準化の効率性を広域圏設定の効率性が上回れるか」。 多くが行政効率と規制緩和に論点が収れんしがちですが、経営や資本で、地域でやっているものは、すでに地域でやっているわけで、改めて道州制を導入しなければならない理由にはならない。おそらくある種の公的企業、たとえば電力会社のようなものでない限り、地域による分割にはなじまない。 さらに、資料として用意した「平成20年近畿財務局の地域経済に対するレポート」には、大阪湾が薄型テレビや太陽電池の世界的集積地になりつつあることと、中小企業の産官学の取り組みとして、人工衛星「まいど1号」の紹介がありました。また地域連携の例として、兵庫と大阪のバイオメディカル事業を取り上げています。しかし、かつて高い世界シェアを誇っていた技術分野ですが、今や韓国・中国・ドイツなどに急追され、すでに水をあけられている技術分野でもある。さらに近畿財務局だからでしょうが、事実これらは道州制とは関係なく実施できるものです。道州制を導入すれば、活発な競争が巻き起こり規制緩和によって、新しい産業が生まれるのでしょうか。
    2. この問題を考えるヒントとして、次に「フィンランドモデル」の検討を行いました。人口規模的には関西のほうがずっと大きいですが、関西を「ミニ国家」とした場合には、フィンランドの政策は示唆に富むものです。ポイントは以下のようになります。
       1.「改革なくして成長なし」の危機意識の共有 
       2.福祉国家の改革を通じた「成長なくして分配なし」を
         宣言できる信頼できる政府
       3.民間部門の拡大による「小さいが開かれたフィンランド経済」と、
         その方向にあるハイテク分野を中心にした特化型専門経済
       4.産官学の強力なタッグ。貿易産業省等の中心官庁のリーダーシップ
       5.民間を中心にした研究開発投資と公的ベンチャーキャピタルの充実
       6.民間企業によるノキア型クラスター形成の認識(東大阪型ではない)
       7.人材育成のための教育制度の充実
    3. この官民一体の生き残りをかけた経済産業政策を実施するために、基礎自治体から州政府にいたる統治機構において「民主主義の再興」が必要となります。「市民主体による潜在力の解放」と「権力の監視」・「財源規模の確保」が実現できる新しい権力基盤をつくる必要があるという帰結が考えられます。
    4. これは「広域化経済」~道州制の導入の大きな目的であり、日本経済復興の一つのシナリオとなるのではないでしょうか。

最後に、全体の課題として「道州制導入によるSWOT」分析をしてみようということで、強み・弱み・機会・脅威に分けて経済のみならず道州制を導入すればどうなるのかを考えてみることを参加者の「宿題」にしました。今回参加されなかった方でも別掲の資料等を参考に一度考えてみてください。ご意見をお待ちしています。

講演のレジメと資料
  レジュメとその準備書        第3回カフェ塾レジュメと準備書類
  資料1 フィンランド経済モデル   資料1 フィンランド経済モデル  PDF
  資料2 地域経済の懸念       資料2 地域経済の懸念PDF